一般住宅に使用される屋根材は、軽量な「カラーベスト」・「コロニアル」・「モニエル瓦」・「セメント瓦」・「金属系屋根」材等が多く使用され、
定期的に屋根材を塗り替える事によって、屋根材の劣化を防ぎ、美観・耐久性等も維持出来ます。
また、最近では、「省エネ効果」「CO2削減効果」「節電効果」を考慮した屋根用遮熱塗料・屋根用断熱塗料を用いる屋根の塗り替えプランも人気が出てきました。
足場を組む工事の際に一緒に行う
屋根塗装工事には、必ず足場が必要となります。屋根塗装工事単体でももちろん施工可能ですが、足場の費用も必ず上乗せされるので、外壁工事を行う際や、太陽光パネルを設置する際等 足場の組み立てを伴う工事を行った際に一緒に行われる方が多いようです。せっかく建てた足場なので有効活用してあげましょう!
屋根材の仕様や状態を確認する
普段屋根に上る事は出来ないので、状態を見れてたとしても、下屋根の一部を窓から顔を出して見る程度だと思います。
ですので、足場を組んだ際には必ず状態をチェックしてもらいましょう。
◇屋根材に繁殖するカビ・苔
屋根にカビや苔が繁殖する原因は、屋根材自体の防水性の劣化によるものが多いと言われていてます。防水性が失われつつある屋根材は、水はけが悪く乾きづらい状態で、カビや苔を繁殖させる には十分な環境と言えます。塗装を行う事によって、美観だけでなく、劣化の原因である水から屋根材を保護し、より長寿命化を図れます。
但し、屋根の塗装工事は屋根材を保護してあげる事が目的の工事になりますので、破損箇所や著しく劣化した箇所を修復する工事ではありません。そのような場合は、屋根材の葺き替えやカバー工法 でのご提案となります。
◇劣化しすぎた屋根材
屋根材の劣化状況によっては、使用できる塗料も限られる他、塗装自体が不可能になっている場合もあります。
雨漏りを起こしていたり、屋根材が大きく破損している場合は、大抵屋根材の中や、躯体を傷めてしまっているケースが多いです。
屋根塗装工事はそういった状態になる前に、予防として行う工事ですので、少しでもサイクルコストを下げる為には必ず必要となる工事です。
屋根塗装の準備
屋根を塗装する前に、元々の下地を洗浄若しくはケレンして、塗料の付着がしやすいようにします。
下地の状態や仕様によっては水洗いを避け、マジックロン等を使用してケレンします。苔や汚れを出来る限り取り除いてから塗装を行います。
◇マジックロン
マジックロンとは、荒い面のケレン作業等に使われる研磨道具です。屋根材のケレンの他にも、鉄部のさび落とし等にもつかわれる事があります。
スレート屋根に塗装する
スレート屋根は、太陽光が多く当たる面では色あせが進み、影になる時間が多い面では苔等が繁殖しやすく、一軒のお家でも面によって違う劣化を起こします。 スレート自体の防水性が無くなり、水分を吸収しすぎると、剥離する可能性がどんどん増えていきます。塗装工事を行って延命してあげましょう。
注意して頂きたいのが、塗装工事は修復する事が目的ではなく、あくまで劣化スピードを遅くする工事ですので、著しく傷んでいる場合は、葺き替え工事をお勧めします。
◇タスペーサーとは
スレート屋根は一枚一枚が密着して見えますが、実は完全にくっついてるわけではありません。一枚一枚の隙間から、スレートの下に溜まった湿気を逃がしている隙間になっています。
そこに塗装を行うと、塗料とスレートの間で毛細管現象を起こし、隙間を潰してしまいます。そのままにして置くと、今まで逃げていたはずの湿気が溜まった状態になり、躯体を傷めてしまう原因に なります。
それを防ぐ為に、あえて隙間を残すします。その役割を果たすのがタスペーサーと呼ばれる建材です。
業者によって、オプションとなる場合や、施主自ら申し出ない限り施工してもらえない可能性もありますので、要確認事項の一つです。
瓦に塗装する
◇セメント瓦
形状により、和形、洋形、平形など種類があります。 時間の経過によって瓦表面の塗膜が失われ吸水、乾燥を繰り返しセメントが劣化していきます。
◇モニエル瓦
セメント瓦を塗装する際一番気を使うのが、この「モニエル瓦」です。 表面の着色されたセメント層(スラリー層)が時間の経過によって傷み、一昔前は、モニエル瓦に塗装すると剥がれ等が起きるトラブルが多く、モニエル瓦には塗装が困難との見解でしたが、 スラリー層を強固にする下塗り材が出来てからは塗装可能になりました。
塗装出来ない屋根材・塗装しなくてよい屋根材
◇陶器瓦(無釉薬瓦・いぶし瓦・釉薬瓦) 粘土から生成された陶器瓦は、基本的には塗装する事はできません。特に釉薬瓦は表面の釉薬がガラス質になっているため、 水が浸透せず、長い年月を経ても美しい状態を保て、メンテナンスの必要がありません。